BORN TO BE FASHION - 装いだけではなく生き方そのものがファッションとなる -

2016年は大変革の勢いが増す?!

皆さんあけましておめでとうございます。

新年早々ではありますが、 ちょっとシビアなことを書こうと思います。

ご存知の通り、2015年は百貨店を始め中間ブランドを音を立てて崩れ閉店・撤退が続いています。おそらく今年もこの流れは勢いを増していくのではないかと思います。

服を買わなくなったと言われていますが、僕はそうは思わないのです。
買う人は買う。一般の人がとても信じられない額を凉しい顔で買う。
しかし、いらないものは1円であろうがいらない。

ウチの店でもそうなのですが、例えばシンプルで上質なニットがあるとします。
値段は5万円。なぜこれが5万円なのかショップ側は「良い素材なんで〜」程度の幼稚な説明しかできない。そしてそれを卸しているブランドもまともな商品説明はなく、今だに「触れば着れば伝わる」といったマスターベーション的な態度。相変わらず昔ながらの体質。

伝わるわけないでしょ、そんなの。

バイヤーは生産者じゃない。そりゃだいたいのクオリティーや雰囲気が良いのはわかる。しかしそれをユーザーまで落とし込むのはやはり明確な言葉によるスペック説明必要なんです。
そのくせ最近バイヤーの質が落ちたなんていうブランドもあるから呆れる。
(まあ、先日某展示会でツイードも知らないバイヤーを見たときにはビックリしましたが)

そして、ファストファッションを舐めている。

僕はユニクロのヒートテックや部屋着に無印のフリースとか使っています。
定期的にどんなもの作っているのかチェックもしています。
冷静にみて値段以上のものを作っていると思います。
有名ブランドから引き抜かれた人達が、幅広く受け入れられるために考え抜いたデザインを大量生産することでグーンと値段を下げているんですからね。そりゃマス消費者はイチコロでしょう(笑)

近年はマスよりちょっと上の層まで狙っている。
パリで一線を行くハイブランドには及びませんが、例えばユニクロ・ルメールなどそこそこのモノを作っている。正直に言うとウチで扱っているブランドの中にも「このコートに10万円出すならユニクロ・ルメールのコートでいいか」と考える人がいるのじゃないかという思いが年々強くなっています。
多分、消費者は偏見なくフラットに見るから価格に対してグングンとシビアになっている。

誤解のないように言っておきますが、ファストファッション支持してるわけでありません。
ビジネスセンスとして勉強になるなと思っているのです。
個人的にはユニクロのコートなんて安っぽくてとても着れたもんじゃない。

ユニクロや無印は老若男女の言わば国民服。
その名の通りファストフードやチェーン店のように誰でも気兼ねなく使う。
しかし、もちろんそれだけで業界が成り立つわけでなく、こだわりのラーメン屋さんに行列が出来たりミュシュランの星を獲得した店が予約で満杯であったり、馴染み客の憩いの場となっている居酒屋もある。
魅力がある(伝わる)店には人が集う。

ファストファッションをやっかんだり口撃するのはスマートじゃない。
これはひとつのジャンルだと捉えるのが良いかなと。
例えば、パットメセニーがAKBにダメ出しなんかしないでしょ(笑)
ユニクロショックは、実はこの業界が生まれ変われる良いチャンスなんじゃないかと。

そうすると、やるべきことが見えてくる。

とりあえず、ブランドにとっては去年にも増して超嫌なバイヤーになるかと思います(笑)
「このジャケット良いのはわかる。でもこれに◯万円出す魅力はあるか?」
どんな凄いデザイナーだろうが、スベってることよくあるしね(笑)

moongateを愛してくれるお客様のことを考えると、ブランドの自己満足的な商品や去年売れたから今年も作りました的な怠けたモノは仕入れられない。

とまあ、そんなことを考えるながら元旦を過ごしております。

2016年もどうぞよろしくお願いします。