だから「僕から買ってください」
こんにちわ。
吉田です。
先日、僕の数少ない「リスペクトできるおっさんリスト」のひとりである木本さんと杯を酌み交わしました。
と言っても、ほとんど語り合っていたので結局飲んだのはビール二杯(笑)
本物の〇〇能力を持ってるおばちゃんの話から、某有名サッカー選手も属している投資家軍団の話まで、現実は小説より奇なりとはまさにこのこと。表に出てこないことっていっぱいあるだなとあらためて思いました。
いろいろ噛んでる木本さんってすごい人だったんですね、ただの変態オヤジかと思っていました(笑)
木本さんは、かつてクロスFMで伝説的な音楽番組「ELE-TOPIA」のナビゲーターをしてたんですが、この番組の企画で世界的テクノアーティストであるJeff Mills氏にインタビューする機会があったそうです。
この話がとても含蓄の深いものでした。
Jeff Mills氏は「僕は曲を作るだけでなく、レコードを売らなければならない。売れなければ次の新作を作ることができない」そう言ってショップを手売りして営業してたそうです。
そして、名が売れた今でもそのスピリットは変わらないと。
アーティストでも、作品を売る努力をしなければいけない。
売れてこそ、次の新しいものを作る糧になるし前に進んでいける。
よく考えたら、「作るだけ」「表現するだけ」なら、誰でもできるんです。
そこから先、人に認められるものを作れるか、そして売ることすなわち、その作品に対価を払う人を見つけることができるか。
これができてこそ、次々と作品が生まれ、売るノウハウも蓄積され、アーティストとしての説得力、表現の厚み、ネームバリュー、そういったものが生まれてくるのです。
これは、僕の店でもまったく同じことが言える。
着るとまるで自分じゃないみたい、そんなカッコいい服たち仕入れる。
しかし、それが売れないことには、また次のカッコいい服たちを仕入れることができない。
店頭で売れたりwebで売れたりすると、本当に嬉しいです。
それはただ価値を認められたことだけでなく、「またこの人のために次のカッコいい服を仕入れられる!」とワクワクするからです。
ご存知の方も多いかもしれませんが(仕入れタイプの)服屋なんて利益が薄くてたいして儲かりません(笑)
しかも、リスクの大部分を小売店がかぶります。
売れれば売れるほど、在庫をもたなくてはいけなくて支払いサイクルも短いので、買取はますますリスクがふくれあがります。この構造は昔から変わりなく、これを疑問に思うメーカーやブランドやお店はありません。
正直、儲けるためであれば、服屋なんてやってないです(笑)
そんな業界ではありますが、ともかく、厳選した新しい服をお届けできる喜びは他には変えられません。
カッコいい服に身を包み男前になったお客さんを眺めながら、次はどんな風にスタイリングしようかなと思いを巡らす楽しさは、僕らだけの特権です。
だからこそ、今日も売る努力をするのです。
だからこそ、言います。
『僕から服を買ってください』